新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

海外の再エネ事情(Analysis of Future Mobility Fuel Scenarios, ERIA)

東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA: Economic Research Institute for ASEAN and East Asia)は、2023年11月にEAS(東アジアサミット)加盟国の車両の電動化についてのプロジェクト報告書を発表しました。

マレーシア環境水省は2022年に、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにするという目標を設定しています。マレーシアでは、交通部門がエネルギー消費量の約24%を占めているため、交通部門の脱炭素化を推進するためにバイオディーゼルプログラムとEV戦略を実施しています。2019年にはB10を、2020年にはB20を段階的に導入しました。
2022年12月現在、10,000台以上の完全な電気自動車と100,000台以上のハイブリッド型を含む電動自動車が登録されており、2023年3月までに978か所の公共EV充電ステーションが設置されています。2025年までに充電ステーションの数を10,000か所にすることが計画されています。

マレーシアにおけるEVの購入価格は、通常のICEに比べて高額です。マレーシア自動車協会(MAA)によると、2022年にマレーシアで販売された自動車は720,658台でした。最も人気のある地元メーカーPerodua社の車種はMyvi(RM46,000), Bezza(RM36,600), Axia(RM62,500) ですが、2023年5月に開催されたマレーシアオートショーで発売されたNeta Vは5年または15万kmの補償と、8年または18万kmのバッテリー補償が付いていますが価格はRM99,800とICE車の約2倍です。

政府は2022年1月から2025年12月まで、道路税を免除することにしました。道路税はバッテリーの出力に基づくため、80kWの低出力の場合、道路税は一律RM70ですが、100kWの車では税額が4倍となり、出力が500kWの車では、RM10,000となってしまいます。
所有コストを下げるためには、EVを調達する企業に対する法人税優遇措置や、一般市民に対する個人所得税控除を検討することも必要となるでしょう。
企業の炭素排出量を削減するためのガイドラインや目標を設定し、支持することにより、企業の意識が高まり、輸送方法も考慮されることになるでしょう。EVへの投資努力が一般市民によって評価され、環境税還付制度で報われるならば、EVのコストが補償されるかもしれません。

【参考】

  • ・Analysis of Future Mobility Fuel Scenarios Considering the Sustainable Use of Biofuels and Other Alternative Vehicle Fuels in East Asia Summit Countries – Phase III, ERIA
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