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コロナウィルスのエネルギー需要への影響

新型コロナウィルスの感染拡大が世界規模となり、多くの国が行動制限を講じて経済活動が大幅に縮小された4月30日、国際エネルギー機関(IEA)は、世界のエネルギー状況についての報告書を発表しました。

報告書によると2020年第1四半期の世界のエネルギー需要は前年比3.8%(1億5000万toe)減となりました。行動制限による経済活動の停滞が数か月継続することになれば、2020年のエネルギー需要は6%減になると予測しています。これはリーマンショック後の落ち込みの7倍に相当します。

エネルギー需要の減少が多いと予測されているのは先進国で、アメリカでは9%、EU諸国では11%と予測されています。

報告書によると、コロナウィルスの影響により、電力資源としての再エネの利用が増加していました。IEAで30か国の毎日のデータを集計した結果、都市封鎖により平均して月20%の電力需要が減少しています。電力需要の低下は、石油、石炭、天然ガスなどの電力資源の需要を下げましたが、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーは、その出力が需要の影響をほとんど受けないため発電における割合を押し上げる結果となり、ベルギー、イタリア、ドイツ、ハンガリー、アメリカ東部地域では、都市封鎖の間、再エネは時間単位の電力需要の記録を更新しました。サプライチェーンや建設の遅延で他の電力資源による電力量が停滞する中で、再エネによる発電量は前年比5%増加しており、2020年の世界の電力供給における再エネの割合は30%に達すると予想されています。

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