新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

グリーン水素の製造・利用プロジェクトの実証施設建設をスタート
「やまなしモデルP2Gシステム」

山梨県(知事:長崎幸太郎)が民間企業10社(①東レ株式会社、②東京電力ホールディングス株式会社、③東京電力エナジーパートナー株式会社、④日立造船株式会社、⑤シーメンス・エナジー株式会社、⑥株式会社加地テック、⑦三浦工業株式会社、⑧サントリーホールディングス株式会社、⑨ニチコン株式会社、➉株式会社やまなしハイドロジェンカンパニー)とともに、水素エネルギーを活用した脱炭素化の実現に向け、再生可能エネルギー由来の電力で水素を製造・利用する「やまなしモデルP2Gシステム」の実証施設の建設を開始すると発表し、令和6年2月20日(火)に、プロジェクトメンバーであるサントリーの白州工場(天然水)及び白州蒸溜所(ウイスキー)(いずれも北杜市)において起工式を行った。起工式は、神事が実証事業地(山梨県北杜市白州町鳥原字苗林2884-1他)で、式典が北杜市白州体育館で執り行われ、式典には県や参加企業、地元経済界などの関係者約60人が出席した。

P2G(Power to Gas)システムとは、再生可能エネルギー等由来の電力を活用し水の電気分解から水素を製造する技術であり、カーボンニュートラル社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大と温室効果ガスの削減において、世界的に期待されているもの。

山梨県は、電力、繊維、電気機器など国内のトップ企業10社とコンソーシアムを構成し、大規模なP2Gシステムによって再生可能エネルギーで水を電気分解して得られるグリーン水素を、企業の工場の水素ボイラー等で利用するための技術開発を推進している。今回構築する実証施設は、運転出力では国内最大となる16MWの水電解システムで、令和7年の稼働を目指している。

P2Gシステムから作り出されるグリーン水素は、サントリーの地元工場のほか、周辺地域での利用も計画している。今後、国内外のより多くの地域で活用され、水素社会の実現と地域経済の発展に繋がるよう、取り組みを前進さる予定。同システムは、グリーンイノベーション基金事業によるNEDOの助成事業の採択を受け、独自に開発したもの。

長崎知事はあいさつで、「世界的に脱炭素化の流れが加速する今、グリーン水素は、キーテクノロジーとして大きな期待を集めている。世界トップクラスの水素利用エリアが、この山梨県白州の地に生まれることとなった。この優れたシステムが多くの地域で活用され、水素社会の実現と地域経済の発展に繋がるよう、更に取り組みを前進させていく」などと述べた。

今回は、自治体と多岐に亘る多くの企業が協力して、再生可能エネルギーを起源とする「グリーン水素」の活用を目指すもので、今後の動向に期待したい。

「やまなしモデルP2Gシステム」

【参考資料】

ページトップへ