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2020年「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」
(マテリアルフロー図)を公表・(一社)プラスチック循環利用協会

2021年12月24日、(一社)プラスチック循環利用協会は2020年「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」(マテリアルフロー図)を公表しました。

「マテリアルフロー図」から以下、抜粋。

  • 1)2020年国内の「樹脂生産量」は、新型コロナウィルスの影響による生産活動の制約、消費活動の低下により、樹脂製品の需要が減少したため、前年比87万t減の963万t。
  • 2)「廃プラ総排出量」は前年比28万t減の822万tとなり、このうちの86%にあたる710万tが有効利用
  • 3)総排出量の内訳は以下、
    総排出量の内訳
  • 4)「一般系廃棄物」(410万t)、「産業系廃棄物」(413万t)別の内訳は以下。一般系廃棄物では「包装・容器等/コンテナ類」のみで全体の8割近くを、産業系廃棄物では「電気・電子機器/電線・ケーブル/機械等」と「包装・容器等/コンテナ類」の二つで全体の半分。
    「一般系廃棄物」(410万t)、「産業系廃棄物」(413万t)別の内訳
    (左)一般系廃棄物(410万t)分野別内訳
    (右)産業系廃棄物(413万t)分野別内訳
  • 5)有効利用率86%の内訳は、マテリアルリサイクル21%、ケミカルリサイクル3%、サーマルリサイクル(エネルギー回収)62%。有効利用率の一層の向上のためには、14%(112万t)を占める未利用の単純焼却(8%:66万t)、埋立(6%:47万t)をリサイクルの流れの中にうまく取り込んでいく必要。
  • 6)今年のプラ輸出量についての状況については以下の注があります。プラくずそのものの輸出は減少、一方、再生原料の形で輸出が増大との分析です。

「MR品輸出量の見直し:日本は今までMR品(主に中間処理されたプラ屑)を大量に海外(主に中国)に輸出してきましたが、2018年の中国の廃プラ輸入規制強化により、MR品の輸出量(貿易統計の「プラスチックくず」輸出量)は大幅に減少しました。その一方、当該貿易統計では把握できない、例えばペレット等の再生原料の形で輸出されるケースが増大しているものと推察されました。(中略)2020年のこの量は62万tにも達し、中国の廃プラ輸入規制強化直後に強まったプラ屑を中国以外の国々(主に東南アジア諸国)へ輸出する動きが徐々に弱まるなか、国内で再生原料化して海外へ輸出する動きが強まっていることが明らかになりました。この再生原料輸出量に貿易統計の「プラスチックくず」輸出量を加算したMR品輸出量は136万tになることから、MR品の8割近くが海外に輸出されているものと思われます。」

今後もプラ再利用は注目して行きたい分野です。

(参考)(一社)プラスチック循環利用協会(2021年12月)

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