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認定高度保安実施事業者制度と水力発電のスマート保安促進

令和4年(2022年)6月15日に可決・成立した高圧ガス保安法等の一部を改正する法律において、認定高度保安実施事業者制度が創設されました。

まず、制度創設に至った背景事情から説明します。

電気事業に限らず産業保安全般において、設備の高経年化、革新的なテクノロジーの進展、保安人材の不足・高齢化がみられ、電気事業においては再生可能エネルギー発電設備の急激な増加傾向など供給構造に大幅な変化が起きています。また、近年の自然災害の激甚化に伴い、レジリエンス強化の必要性も日々増しています。こうした環境変化に対して、行政・事業者の限られたリソースを適切に配分して産業保安を確保し、最も効率的で効果的な仕組みを構築していく必要があります。安全確保を大前提としながらも、保安の効率化・省力化を図り、行政による規制についてもリスクの大きさや事業者の成熟度・能力に応じたメリハリをつけたものとし、事業者の自主性を促す制度設計が望まれています。

次に、制度の要件と効果について説明します。

「自立的に高度な保安を確保できる事業者」を国が審査して認定します。認定を受けた事業者に対しては、現行の規制における行為規制は維持しつつ、届出等の行政手続については見直し(簡素化)がなされます。事業者においては、保安管理業務について、より自主性を高めるとともに持続的な保安レベルの向上が期待されます。

国の審査において「事業者に高度な保安力があるかどうか」の基準となるのは、次の4要件です。

  • 1)経営トップのコミットメント
  • 2)高度なリスク管理体制
  • 3)テクノロジーの活用
  • 4)サイバーセキュリティ対策など関連リスクへの対応

です。

認定を受けた事業者は、電気事業法に基づく事業用電気工作物に係る設備変更の手続や規程、電気主任技術者の選任・解任に関する手続、定期的な検査については、事業者の保安力に応じて、届出等の手続の不要化がなされ、さらには、事業者自身により検査等を柔軟に措置することができるようになります(ただし、記録保存義務は維持)。
詳細は図1を参照。

(図1)
(図1)

水力発電設備の保安管理業務においてもIoT技術やドローン、AI等の導入が期待されており、今回紹介した認定高度保安実施事業者制度などと相俟って、スマート化による電気保安の高度化・効率化・遠隔化が今後より一層促進されていくものと考えられます。

(図2)
(図1)

【出典】

  • 図1
    経済産業省 令和3年12月1日
    産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 産業保安基本制度小委員会 報告書
    『産業保安分野における当面の制度化に向けた取組と今後の重要課題』
  • 図2
    経済産業省 2022年4月28日
    『水力発電設備における保安管理業務のスマート化技術導入ガイドライン

【参考文献】

○法案

○制度趣旨の説明

○スマート保安

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