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日本初のリサイクル技術を三豊市から
~ごみはすべて資源、トンネルコンポスト方式~

今回は、四国の地方都市で画期的な方法で、ごみの資源化に取り組むバイオマス関連企業を紹介する。

香川県三豊市の株式会社エコマスターが運営する「バイオマス資源化センターみとよ」は、独自に開発した「トンネルコンポスト方式」によって、家庭や事業所から出る燃やせるごみを発酵・乾燥させ、「固形燃料」の原料としてリサイクルする日本初のバイオマス資源化工場。本施設では、これまでは焼却処理していた燃やせるごみを、エネルギーに生まれ変わらせている。

トンネルコンポスト方式

【トンネルコンポスト方式の特徴】

  • ①燃やせるごみ(混合ごみ)のリサイクルが可能
    生ごみやプラスチック・紙などが混在しているごみは、臭いや水分の関係上リサイクルが難しいとされてきた。トンネルコンポスト方式はこれらの混合ごみを発酵・乾燥させることにより、リサイクルが可能な状態にすることができる。結果、排出者の手間を省くとともに、再資源化を図ることができる。使用済紙おむつのリサイクルにも適している。
  • ②微生物を利用した合理的なリサイクル方法
    バイオトンネルと呼ばれるコンクリートの密閉発酵槽では、発酵作用が最も活発になる好気的な環境をシステムが自動制御(温度・圧力・空気量等)され、効率的・確実な発酵による処理が行われる。また微生物が発酵する際の熱と通気を利用して乾燥処理を行う。
  • ③MBT(Mechanical Biological Treatment)
    欧州で開発されたごみ処理方法で、破砕機や選別機のような機械(mechanical)と微生物による発酵(biological)をうまく組み合わせて処理(treatment)する。これから日本でも発展することが予想されている注目の処理方法。
  • ④固形燃料は石炭の代替品
    固形燃料原料は関連会社で混合・成形を行い、固形燃料にする。固形燃料は有価物として取引され、製紙工場などで石炭の代わりとして使用される。

このコンポスト方式は、バイオフィルターを使っており外部に臭気を出さない、水はすべて発酵用に使用するため排水を出さない、二酸化炭素を出さない、煙やダイオキシンを出さない、など環境にも非常に配慮した方式となっている。

生ごみやプラスチック・紙などが混在しているごみをまとめて資源化できるこの方式は、画期的との評価を受けている。香川県三豊市という地方の小さな都市でバイオマスに取り組む企業に今後も注目したい。

【参考資料】

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