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「令和4年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2023)需給実績

エネルギーに関する年次報告は本年、6月6日に閣議決定されました。2004年以降毎年の作成で今回は20回目。

今年も例年通り、3部構成。第1部がその年のエネルギー動向を取り巻く分析、第2部がデータ集、第3部が施策です。第1部の章立て、項目は以下の通り。

  • (1)福島復興の進捗
    • エネルギー政策を進める上での原点 〜原子力災害からの福島復興〜
  • (2)エネルギーセキュリティを巡る課題と対応
    • ロシアによるウクライナ侵攻がもたらしたエネルギー危機
    • 世界的な「LNG争奪戦」とその影響
    • 世界的なエネルギーの価格高騰と各国における影響
    • G7札幌 気候・エネルギー、環境大臣会合での天然ガス・LNGに関する議論
    • 日本におけるエネルギー価格高騰と対応
  • (3)GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた課題と対応
    • 世界の動向と日本の「GX実現に向けた基本方針」
    • 「GX実現に向けた基本方針」の概要

各章のポイントを紹介します。

  • (1)福島復興については、
    避難指示の解除になったことや住民帰還が可能になりました。ALPS処理水の処分、燃料デブリの取り出しなどに触れられています。
  • (2)エネルギーセキュリティについては、
    エネルギーをロシアに依存していた欧州が、急速にLNG輸入を拡大、世界のエネルギー情勢が一変。ドイツの天然ガスの輸入価格は一時、平時に比べ10倍近くまで急騰(2020年1月比)。世界的なLNG争奪戦の影響で日本でも天然ガスの輸入物価が約2倍に上昇(2020年1月比)、などエネルギー危機の事態に直面しています。
  • (3)GXについては、
    エネルギー安定供給を確保すると共に、欧米での脱炭素に向けた投資促進策を講じています。日本でも安定供給を大前提に産業競争力の強化、脱炭素の同時実現に向けて、2023年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。
    基本方針の概要は、
    • 1)エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取組
      • 徹底した省エネの推進
      • 再エネの主力電源化
      • 原子力の活用
      • その他、水素・アンモニア、カーボンリサイクル燃料などが重要事項
    • 2)「成長志向型カーボンプライシング構想」等の実現・実行
      • GX経済移行債を活用した、今後10年間で20兆円規模の先行投資支援
      • 成長志向型カーボンプライシングによるGX投資インセンティブ
      • 新たな記入手法の活用
        →今後10年間で150兆円を超えるGX投資を官民協調で実現・実行
      • 国際展開戦略
      • 公平な移行などの社会全体のGXの推進
      • 中堅・中小企業のGXの推進

【参考】

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