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札幌市「都心エネルギーマスタープラン」について

200万都市札幌の中心地である都心部は、都市機能が高度に集約し、高密度に立地した業務系ビルを主体に多くのエネルギーが消費され、CO2排出量が突出して大きいエリアであり、札幌市全体に対する今回の計画対象区域の面積は約0.27%に過ぎないにもかかわらず、CO2排出量は民生業務部門において18.3%と特に高い割合を占めています。

このような状況下、社会・経済活動の中心地である都心部は、今後のまちづくりの更新に合わせて国内外にアピールできる価値や魅力の向上へとつながる先導的な取組が求められています。

そこで、1972年の札幌オリンピック時に建てられた建物の更新が進むと予測されるので、都心まちづくりと一体的に展開する環境エネルギー施策の基本方針を示す「都心エネルギーマスタープラン」が策定されました。

都心エネルギーマスタープランの理念は、「~暮らしを受け継ぎ世界から信頼される都心の実現へ向けて~環境エネルギーの先駆的な取り組とイノベーションのチャレンジをつづける」であり、マスタープラの基本方針として、「脱炭素:まち全体でエネルギーを効率良く使い、脱温暖化を先導する世界のモデルとなる都心」、「強靭:非常時でも高いレベルの都市活動を継続でき、人々と企業に安全・安心を提供する強靭な都心」、「快適・健康:冷涼で心地よい気候特性を生かして、人々が快適で健康的に過ごせる活き活きとした都心」を定めています。

このような状況において、都心部では1972年の冬季オリンピック開催に向けた煤煙対策を契機に高温水を供給する、地域熱供給網が整備され、その後も環境負荷の低いエネルギー有効利用都市の構想をまちづくりのテーマとして熱供給基盤の整備を進め国内では最大規模である約130haのエリアにおいて様々な用途の建物に熱供給が展開されています。

近年は木質バイオマスや雪冷熱などの再生可能エネルギーを積極的に活用するとともに札幌駅南口を始めとするエネルギーセンターへの天然ガスコージェネの導入やプラントのネットワーク化など効率的なエネルギー利用と環境性の向上を目指した取り組みが進められています。

今後益々、地域熱供給先が拡大し、再生可能エネルギーの導入促進が図られるとともに、札幌市都心エネルギーマスタープランの実現に向けた取組が一歩ずつ確実に進むことを期待しています。

【参考資料】

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