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札幌都心部での地域熱供給事業について

札幌都心部で地域熱供給を通じて環境負荷低減と札幌市まちづくりに貢献している株式会社北海道熱供給公社を紹介します。

札幌都心部では、1950年代より暖房設備から排出される煤煙による大気汚染が深刻な状況にあり、札幌冬季オリンピック開催の前年に煤煙対策を目的として北海道で初めてとなる高温水による熱供給事業が開始された。

近年では木質バイオマスや雪冷熱などの再生可能エネルギーを積極的に活用するとともに札幌駅南口を始めとするエネルギーセンターへの天然ガスコージェネの導入やプラントのネットワーク化などの効率的なエネルギー利用と環境性の向上を目指した取り組みが進められています。

現在の札幌都心部での地域熱供給は、中央エネルギーセンター、札幌駅南口エネルギーセンター、道庁南エネルギーセンター、赤レンガ前エネルギーセンター、創世エネルギーセンターの5のエネルギーセンターが行っています。

5のエネルギーセンターの供給エリアは、国内最大規模である約106ha(約1km四方)のエリアでオフィスビル、商業施設、ホテル、マンション等の約90件、延べ面積の約60%に供給しています。

北海道で初めて高温水による熱供給事業を開始した中央エネルギーセンターは、当初石炭を燃料としていたが、その後RDF燃料、2009年からは木質バイオマスボイラをベースロードの燃料とし都市ガスボイラと併用して利用しています。

中央エネルギーセンターの年間熱製造量の40~50%が木質バイオマスによるもので、CO2の排出量は木質バイオマス導入と比較して約3割まで削減しています。

なお、木質バイオマス燃焼灰は、産業廃棄物扱いであるがセメントの原料や再生路盤材に全量有効利用しています。

高温水供給導管は、二重管構造で需要家で消費された熱量分の温度が低下する、密閉循環方式で、配管腐食の心配がなく、熱損失を少なくしています。配管片道の延長は33kmとなっています。

今後益々、地域熱供給先が拡大し、再生可能エネルギーの導入促進が図られ環境負荷低減と札幌市まちづくりに貢献されることを期待しています。

木質バイオマス燃料貯蔵施設
木質バイオマス燃料貯蔵施設
煙突
煙突
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