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次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」

天候等によって出力が大きく左右される多くの再生可能エネルギーにとって「蓄電池」は安定的に電気を供給するために重要なデバイスであることは言うまでもない。電力貯蔵用の蓄電池としては、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄(NAS)電池、レドックスフロー電池などか使用されているが、この度、画期的な次世代蓄電池の開発について、プレスリリースが行われた。

次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」の開発・商品化について、古河電気工業株式会社と古河電池株式会社から画期的な発表が行われた。これは、長年、実用化困難とされていた次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」において、独自のメタル・ポリマー素材技術の活用など両社の技術力を融合させることで、共同開発に成功したもので、グローバルに拡大する再生可能エネルギーを無駄なく活用する重要なデバイスとして期待を集めている。量産実用化の目処も立ち、2021年度中にサンプル出荷、2022年度より製品出荷開始を予定している。

鉛バッテリーをベースにした「バイポーラ型蓄電池」は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極があり、その間に電解質を含んだセパレータを介してバイポーラ電極を積層するシンプルな構造が特徴。シンプルな構造ではあるものの、鉛の薄箔化と長寿命化の両立、樹脂プレートの成形と接合、鉛箔と樹脂プレートという異種材料の接合などの課題があった。古河電工グループでは、銅条などの金属加工品や、金属と樹脂素材を組み合わせるケーブルなどの製品開発で培ってきた独自のメタル・ポリマー素材に関する技術を活用し、樹脂プレートに薄い鉛箔を接合した電極基板の構造を実現することに成功した。

そのため、従来の鉛蓄電池と比較して材料削減が可能であり、また、体積当たりの容量の向上により、重量エネルギー密度は従来の鉛蓄電池の約2倍となる。さらに、電極基板の積層化により設計自由度の高い電池構成が可能となり、コスト競争力の改善も期待できる。電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池と比較しても、消費電力量当たりの単価は50%以下となり、また、稼働時の空調が不要で、エアコンによる温度管理コストの削減できるため、トータルコストを1/2以下に抑えることができる。発火や火災という安全性の点でも大きな優位性と製品ライフを通じての高い信頼性を備えており、設置スペース性でも優れている。

2030年には1.5兆円規模に迫るとされる電力貯蔵用蓄電池市場をはじめ、これまでにないアプリケーションやシーンとの組み合わせにより新たな価値を提供することができるようになる。また、ピークシフト目的の長周期対応で、充放電特性は電力貯蔵用リチウムイオン電池に匹敵し、経済性もある電力貯蔵用蓄電池として、電力会社、特定目的会社、EPC事業者、機器メーカー等に多くのニーズがあるのではないかと思う。

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