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水力発電における系統接続

水力発電の有望な未開発地点は、100年以上にわたって比較的条件の良い地点から開発された結果、山間地の河川上流部など奥地に位置することが多く、開発予定地付近の連系予定の系統設備容量は小さく、連系点までの距離も離れていることから、系統連系に係る費用の負担が太陽光など他の再生可能エネルギーに比べて重く、新規発電所の建設が進まない要因の一つになっています。

また、最近では、既設発電所の機能維持のために行う水車発電機の更新工事において、最新機器の導入による効率向上により使用水量を変更することなく、数%の増出力が可能となるにも関わらず、系統連系設備の容量不足による増強工事が必要となり、系統連系に係る費用が増大することから、増出力を断念せざるを得ない地点が散見されています。

現在、送電設備を増強することなく既設設備を有効活用することによりコスト低減を図る取り組みについては、国と電力広域的運営推進機関において「日本版コネクト&マネージ」の議論が進められており、想定潮流の合理化、N-1電制については先行適用が開始され、系統の空きがあるときに送電することができるノンファーム型接続(送電線混雑時の出力制限が条件)についても、2019 年から試行的に実施され、空き容量の無い基幹系統においては2021 年1月から全国一斉開始され、ローカル系統への拡大についても検討されているところです。

これらの施策により系統接続容量が確保された場合においても、水力開発は事業化を決定してからFIT認定を取得するまでの期間が、一般河川の開発でも5年程度と太陽光その他の再生可能エネルギー電源と比べて長いため、他電源が先行してその容量を使用した場合には、水力発電が系統に接続できず、開発阻害要因の解決には繋がらない状況が生じる可能性があります。

新エネルギー財団で取りまとめました「水力発電の開発促進と既設水力の有効活用に向けた提言(令和3年3月)」では、水力発電の優れた特徴を鑑み、水力発電の系統連系については、増強費用への補助金等による支援、優先接続枠の設定、更新工事による増出力を優遇する等の支援策を要望しています。

【参考】

  • ・「水力発電の開発促進と既設水力の有効活用に向けた提言 令和3年3月」
    新エネルギー財団 新エネルギー産業会議

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