水力発電は建設地点の調査から、工事、運用・保守の長い期間に、様々な法令が関わってくる。基本的には、電気事業法と河川法が中心になるが、それ以外の関連法令も遵守する必要がある。中小水力発電で挙げられる法令の例としては、次のようなものがある。
法令 | 許認可等の内容 |
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電気事業法 | 電気工作物変更、工事計画届出など |
河川法 | 水利使用許可、河川内土地占用など |
自然公園法 | 公園内の工作物設置、土地形状変更など |
自然環境保全法 | 自然環境保全区域内行為許可など |
森林法 | 林地開発許可、保安林解除、伐採許可など |
鳥獣保護及び管理並びに狩猟適正化に関する法律 | 特別鳥獣保護地区行為許可 |
文化財保護法 | 埋蔵文化財発掘届出、史跡等現状変更許可 |
土地収用法 | 事業準備のための立入許可、事業の認定など |
農地法 | 農地転用許可、農地転用事前審査届出 |
国有林野の管理経営に関する法律 | 国有林野売払・貸付許可、伐採許可 |
水産資源保護法 | 工事の制限等に係る許可 |
国土利用計画法 | 土地に関する権利の移転等の許可、届出 |
国有財産法 | 国有財産の効用廃止願い、処分等の許可 |
砂防法 | 砂防指定地域作業許可 |
地すべり等防止法 | 地すべり防止地区内行為許可 |
このような土地特有の法令については、注意して調べておく必要がある。当該所管官公庁に相談して、手続きを順次行うのが望ましい。運転開始後も、設備維持のために行う修繕工事や更新工事によっては、申請が再度必要なものがある。また、法令以外にも地元住民への説明など、発電所の運転開始までには多くの手続きを踏む必要がある。
このように関連法令も多種多様で管理が大変だが、主に行う電気事業法・河川法も手続きが多い。新エネルギー財団で手続きの一例をまとめたガイドブックを出しているので、このような資料を参考にしながら手続きを進めると良い。
【参考文献】