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水力発電所の巡視業務

巡視とは、発電所が通常運転している状態において、巡視者の五感等により設備の外観や計器表示等を見回り、設備の異常の有無を確認する事である。

  • 1.巡視の種類
    巡視業務は定期的に実施する普通巡視、精密巡視と地震、洪水等の後に必要に応じて実施する臨時巡視に区分されて実施することが多い。
    表1 巡視の種類
    巡視の種類 内    容
    普通巡視 運用中の設備を定期的に巡回し、主として五感(目視,異音,異臭)により運転状態及び停止状態での異常の有無を把握する。
    設備の重要度により週単位、月単位で定期的に実施する。
    精密巡視 普通巡視に加え簡易な測定により、計測データの採取や細部を観察して、異常の有無及び点検の必要性を把握する。
    数カ月単位で定期的に実施する。
    臨時巡視 異常気象(暴風雨、洪水等)、地震、テロ警戒などの特異な事象発生時に必要に応じて設備の異常の有無を重点的に把握する巡視。
  • 2.巡視のポイント
    巡視を実施する場合は、あらかじめ巡視経路を定め、安全柵等を設けるなど安全に十分に配慮するとともに、実施者は適切な保守を行うために各機器類の特性を十分に理解してから実施することが大切である。
    巡視経路を定めるにあたり、気を付ける点は次の通りである。
    • (a)諸設備を漏れなく順序よく効率的に行えることと、安全確保が図られること。
    • (b)巡視者への指導助言、緊急連絡ができること。
    • (c)経路を守ることで、思いつき作業、錯覚による危険箇所への立入等を防止できる。
    • (d)経路は、平面図等の図面に記載し、巡視表の巡視項目を経路にあわせて並べる。

【参考文献】

  • ・一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部 令和3年9月 新エネルギー人材育成研修会(水力発電コース) テキスト
  • ・一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部 中小水力発電ガイドブック(新訂5版)
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