新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

水力発電所の電気・機械設備

  • (1)入口弁
    水圧鉄管の末端、水車の入り口に設けられ、水車内部の点検や水車に重大な事故が発生したときなどに、水車に流入する水を遮断する設備である。通常、全開か全閉だけの操作を行い、その開度を加減して流入量を調整することはない。
  • 反動水車(立軸フランシス水車)
    反動水車(立軸フランシス水車)
    (2)水車
    水車は、水の持つ位置・圧力・速度エネルギーをランナという回転体を廻わして運動エネルギーに変換する。圧力エネルギーをそのままランナに作用させる反動水車と圧力エネルギーを速度エネルギーに換えてジェット水流をランナに作用させる衝動水車に大別される。
    反動水車(立軸フランシス水車)
    反動水車(立軸フランシス水車)
    衝動水車(横軸ペルトン水車)
    衝動水車(横軸ペルトン水車)
  • (3)発電機
    水力発電に使われる発電機を水車発電機といい、水車と同じ回転軸で繋がっており水車の回転力により発電を行う。電気事業で使われる水車発電機は同期発電機がほとんどであったが、小水力発電や従属発電では誘導発電機を使うことが多い。
  • (4)主要変圧器
    水車発電機の定格電圧は最高で22kV程度のため、送電ロスを考慮し変圧器で電圧を66~500kVに高めて送電する。ただし、小水力発電では6,6kVで高圧配電線に接続することが多い。
  • (5)調速機
    系統周波数の変化を検出し、水車の流入水量をガイドベーンやニードルの開度を調節し、発電機の回転数を一定に保つよう制御する機器が調速機である。
  • (6)自動電圧調整装置
    同期発電機は、回転子に供給する直流電流を変化させ、回転する電磁石の磁力を調整することで、発電した電気の電圧調整ができる。自動電圧調整装置は、発電機電圧の変動をフィードバックし、自動で界磁コイルに供給する電流を調整し、発電機電圧を規定値に保つ装置である。

【参考文献】

  • ・一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部 令和3年9月 新エネルギー人材育成研修会(水力発電コース) テキスト
  • ・一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部 中小水力発電ガイドブック(新訂5版)
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