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水力発電支援の多様化1(ネーミングライツ)

水力発電は、2021年10月に発表された「第6次エネルギー基本計画」において、再生可能エネルギーの中でも、純国産で、渇水の問題を除き、天候に左右されない優れた安定供給性を持ち、長期的に活用可能なエネルギー源であり、地域共生型のエネルギー源としての役割を拡大していくことが期待されています。

水力発電の開発・普及促進のための公的支援策として、「水力発電の事業初期段階における支援事業(初期調査等支援事業)」、「水力発電の既存設備の増出力又は増電力量の可能性調査及び更新等事業(既存設備有効活用支援事業)」があり、開発段階や在規模改修時のイニシャルコストを軽減する支援策があります。また、FIT/FIP制度は、それぞれ仕組みが異なるものの買取価格を上乗せすることで投資コスト回収が進みやすくすることで開発を促す支援策です。

このような制度としてではなく、水力発電の価値や可能性に鑑みた新しい支援が始められています。その一つとして、水力発電所へのネーミングライツが、2023(令和5)年5月に「ぐんぎん尾瀬片品発電所」、10月に「SMBC宇治グリーン発電所」が発表されました。ネーミングライツ(命名権)は、スポーツ施設や文化施設等の施設に、スポンサー企業名等の名称を付ける広告手法の一つで、施設の維持・運営費を賄う財源確保策の一環として多くの自治体で取組まれています。公共施設以外にもネーミングライツの取組は広がっているようですが、水力発電所のような発電施設での取り組みは珍しいと思いますが、発電事業者とスポンサー企業の両方が水力発電所を通して、カーボンニュートラル社会の実現へ近づくのみならず、地域との連携・共生に貢献し、水力発電の価値創造・向上につながることを期待します。

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