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水力発電支援の多様化3(クラウドファンディング)

水力発電は、2021年10月に発表された「第6次エネルギー基本計画」において、再生可能エネルギーの中でも、純国産で、渇水の問題を除き、天候に左右されない優れた安定供給性を持ち、長期的に活用可能なエネルギー源であり、地域共生型のエネルギー源としての役割を拡大していくことが期待されています。

水力発電の開発・普及促進のための公的支援策である補助金やFIT・FIP制度の他、水力発電の開発促進の支援策の一つになり得る新しい取組が始められています。

その一つとして、クラウドファンディングでプロジェクト資金(一部)を集める取組があります。日本のクラウドファンディングは、寄付型、購入型、金融型(融資型、株式型、投資型)に分類され、2019年当時でその市場は1320億円で、その87%が金融型ですが、金銭以外のリターンを得る購入型、リターンを得ない寄付型も169億円(127%)と増加傾向にあるそうです※1

クラウドファンディングのサイト等で検索すると、水力発電に関するプロジェクトは数が少ないものの、いくつか探すことができます。目標金額を達成できる割合は平均30~40%程度の様ですが、中小水力発電に関するプロジェクトで目標金額を達成した数少ない事例が、和歌山県田辺市上秋津地域で取組まれた「水力発電所復活プロジェクトで地域づくりを応援したい (一般社団法人ふるさと未来への挑戦 様 他3法人様) ※2」です。

(一社)ふるさと未来への挑戦様は、『「水」という地域資源を有効に活用するために水力発電所を復活させ、売電を行うことで得られる収益で、地域づくりの応援を行いたい。』との思いの下で、明治45年から平成16年の92年間にわたり地域に電気を供給していた旧川中口発電所(120kw)を、あきつの第一小水力発電所(20kW)として復活させるプロジェクトに取組まれました。その取組は、(一社)ふるさと未来への挑戦様のサイト※3やマスコミ※4に紹介されています。

クラウドファンディングでは、リターンが届かない等のトラブルのリスクもありますが、インターネットを通して広く賛同する支援者から資金を調達する良い仕組みです。(一社)ふるさと未来への挑戦様のように地域づくりの応援等、多くの賛同者・支援者をに支えられる中小水力発電所が増えることを期待します。

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