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地熱発電の設備利用率について

現在運転中の地熱発電所が順調に稼働されているかどうかという観点で考えたときに、設備利用率という数字がポイントになります。設備利用率(%)は、 ・設備利用率(%)=年間発電量÷{発電端出力(認定出力)×365(日)×24(時間)}×100 として計算されます。究極の理想は100%ですが、目標にしたい数字は80%です。実際の設備利用率は、出力1,000kW以上の地熱発電所では2017年度で平均55.9%でした。1997年度の80.9%をピークに年々低下傾向で、2010年度から50%台が続いています。

ここで、設備利用率がこのような状況になっている2つの要因を考えていきます。まず、発電所が1時間当たり最大でどれほど発電できているかという最大電力で見ると、出力1,000kW以上の地熱発電所の最大電力の合計が372,791kW(2017年度)となっています。これは、発電端出力(認定出力)の合計値493,415kWの76%にしか達していません。

運転開始から時間が経過した地熱発電所では、還元熱水の混入による局所的な地熱貯留層の温度・圧力低下、貯留層の過熱化による流体の強酸性化等により、開発当初の貯留層とは異なる挙動を呈してくる傾向があります。それにより蒸気生産量、熱水還元量が確保できず最大電力が下がっている状況が考えられます。それには補充井を掘削して対応していくのですが、これらの発電所では操業エリアの拡大も難しいことから、補充井を掘削しても想定する蒸気量や熱水還元量を得られないといったリスクが高まる可能性があります。このような既設発電所特有の「資源リスク」に対しては、1企業で背負うのが難しい問題であり、国などによる支援が求められます。

もう1つの要因は、負荷率であり、現在平均で73%となっています。これは、設備関係の要因によるものであり、個々の発電所による徹底した定期修繕のスケジュール管理、的確な日常点検の実施、適切な時期の設備更新などで改善を図っていく必要があります。

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