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地熱掘削技術(その1)

1高温度対策
 地熱井は、地下の高温個所にある地熱流体を調査、生産、還元するために掘削することから、それぞれの作業に合わせた高温度対策が必要である。坑内ツールの耐熱性能は、機器により異なるが150~200℃程度のものが多いため、地層温度200℃程度までは、冷却塔を用いて泥水を冷却する対策で作業可能である。しかし、地層温度が300℃を超えると坑内ツールに大きな影響があり、各種の対策が必要となる。
 ビットやダウンホールモータ等の坑内ツールスの耐熱性能は、年々向上しており、可能な限り耐熱性能の高いツールを使用すべきである。

図1 坑内熱収支概要
図1 坑内熱収支概要

1-1坑内の冷却
 掘削中に循環して地表に回帰してきた泥水は、坑内浅部で地層やストリングス内の泥水と熱交換し冷却されてくるため、比較的低温であることが多いが、揚降管後の一循環目では坑底部付近の高温泥水が回帰し、噴気現象が発生することがある。ケリーを用いた掘削では、降管作業中に任意の深度において冷却循環をおこなう必要がある。この場合は、冷却循環を開始するまで、ビットやダウンホールモータ等のダウンホールツールは高温さらされることになることを留意すべきである。トップドライブを使用し、深部の高温部では循環しながら降管作業をおこなうことにより、ダウンホールツールを高温化にさらすことや一循環目の噴気現象を防止できる。
坑内を効率よく冷却するためには、循環する泥水を地上でできるだけ冷却することが必要で、各種の冷却塔を適正に使用する必要がある。また、敷地内に調泥タンクや泥水ピットを設置し、冷却した泥水を確保または冷却効率を高めることも効果がある。地上装置による冷却効果が低いと、回帰した高温の泥水を再循環することになり、浅部での熱交換ができなくなる。このため、泥水全体の温度が徐々に上昇し、暴噴を誘発することになる。図1に坑内熱収支概要を示す。

【参考文献】

  • ・新エネルギー財団(2021):「令和3年度 地熱開発技術者研修会テキスト」

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