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ダイナミックプライシングを活用したEV充電サービス

出光興産株式会社および100%子会社のソーラーフロンティア株式会社、日産自動車株式会社の3社は、独自のダイナミックプライシング(価格変動制)を活用したEV充電サービスの実証事業を2021年11月から2022年1月まで実施すると発表した。

「ダイナミックプライシング」は需要と供給の状況に合わせて価格を柔軟に変動させる仕組みで、需要が刻々と変化する時、価格を上手く変更することで、固定価格システムに比べ全体収益を増加させることができる。

本実証事業は、経済産業省の補助事業として実施されるもので、3社は、EVやPHV等の電気自動車の普及がさらに進む将来に向け、電力負荷の低減や平準化を目的としている。さらに、再生可能エネルギーを効率的にEV充電に活用することや、電力需要が高まる時間を避けた充電を可能にする仕組みを検証し、カーボンニュートラルの達成と持続可能な電力インフラの実現に貢献することを目指している。

実証のイメージ図

本実証試験では、日産『リーフ』およびEV充電設備の保有者を対象に、参加者50名程度を9月末まで募集する。対象参加者は、東京電力管内のうち、出光興産が指定する工事可能エリアに住む個人。なお、本実証試験に参加するためには、出光興産が提供する電気プランへの切り替えが必要となる。参加者に電力料金の割引額をスマートフォンのアプリケーション上に提示し、再生可能エネルギーの主力電源である太陽光パネルが発電する昼間や、電力需要の低い深夜などにEV充電を促す。推奨する時間帯に充電した際には、あらかじめ提示した割引額を電気料金から控除する。これにより、実証試験参加者の行動変容を分析するとともに、アンケートを実施し、仕組みの実効性とサービスとしての実現可能性を検証するもの。参加者には6万円相当の謝礼が用意される。

今後、EVの大幅な普及が見込まれる中、一般の人々を対象とした本実証試験の結果に注目したい。カーボンニュートラルの実現には、企業だけでなく一般の人々の意識改革と協力が不可欠であると思う。今後の展開に期待したい。

【ご参考】

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