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テキサス州の大規模停電

Bloomberg Newsは、2021年2月18日付けの記事”The Texas Blackout: All You Need to Know”で2月15日未明、米国テキサス州で発生した大規模な停電について解説しています。

テキサス州は資源に恵まれており、全米の25%以上の天然ガス生産量、同28%の風力発電電力量を誇り、発電電力量は全米一です。

2020年10月時点のテキサス州の主な発電源は、天然ガス火力発電(19.8Gwh:52%)、水力以外の再生可能エネルギー(8.6GWh:23%)、石炭火力発電(6.6GWh:17%)、原子力発電(3.1GWh:8%)で、天然ガス(全米では38%)と再生可能エネルギー(同17%)の比重が大きくなっています。

EIA(U.S. Energy Information Administration)のデータによると、1週間にわたって、悪天候による風力発電電力量の停滞を天然ガス発電が補っていましたが、天然ガス資源の不足と需要拡大により、停電につながったとみられます。

停電の原因は、風力発電設備の凍結によるものだとの報道もありました。停電時に、再生可能エネルギーによる発電電力量が平常時より少なかったことは事実ですが、年平均出力を考慮することも必要です。風力発電の場合、テキサス州での年平均発電量は9.8GWであり、停電時は5.2GWでした。仮に停電時に年平均の発電量が供給できていたとしても、電力不足を補うことはできなかったとみられています。

  • 出典:Bloomberg News, February 18, 2021: The Texas Blackout: All You Need to Know
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