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電力系統の整備とポジティブゾーニング

令和4年3月に取りまとめられた当財団の太陽光発電についての提言において、ポジティブゾーニングについての強い期待が表明された。その点について解説すると次のとおりである。

再生可能エネルギーの導入に際して送配電系統への接続がネックとなることは広く知られている。そのための対策として、まずは系統への接続ルールを見直し、より柔軟なルールにして、接続できる再エネを増やすということが進められている。さらに、国のイニシアチブのもと再生可能エネルギーの大量導入に向けて系統を増強していこうということも始められている。北海道と本州、東日本と西日本、九州と本州といった系統のブロックを結ぶようなところから始められており、さらに最近では北海道から関東までを海底直流送電で結ぼうといった検討も始められている。こうした対策は例えば風力発電のように適地に偏りがあるものについては長期的視点で大いに有効であるが、太陽光発電のように規模はそれほど大きくはないが全国どこでも行えるといったものについては即効性に乏しいためあまり評価されない。太陽光発電を行おうとする者にとっては、系統のもっと末端に近いローカル系統さらには配電系統の増強が即効性のある対策としてニーズが高いところである。

しかしながら、ローカル系統、配電系統はまさに網の目のように張り巡らされており、それを全部増強するのはあり得ず、重点的にと言ってもそれではどこが重点かということになり検討が進まない。

そんな状況の中で注目されたのが令和3年の通常国会で成立し、令和4年4月から施行された改正温対法第21条に定められた地域脱炭素事業の促進地区等の設定(ポジティブゾーニング)である。

温対法第21条では、従来から都道府県や市町村は温室効果ガスの削減のための実行計画を作ることを求められていたが、その作成に合わせて、協議会等を活用して、地域脱炭素化促進事業の促進に関する事項として、「促進地域」を定めるとともに、「地域の環境の保全のための取り組み」、「地域の経済及び社会の持続的発展に資する取り組み」等をセットで定めるよう努めることとされた。つまり市町村が先行する形で地域の関係者を集めた協議の場を設定し、地域における再生可能エネルギーのポテンシャルや、環境面で配慮すべき事項等を検討し、さらには地域の経済・社会の持続的発展に結び付ける方策等についても検討し、再生可能エネルギー等の導入についての地域の合意形成を進め、それを促進地域として定め、また環境保全上の課題をあらかじめ明示することにより、事業の予見可能性を高めようというものである。
(令和3年12月「地域脱炭素に向けた改正地球温暖化対策推進法の施行に関する検討会とりまとめ」参照)

そして地域脱炭素化促進事業を行おうとする事業者は、この地方自治体が定める計画に適合していることについて市町村の認定をけることができることとされ、それにより関係許可等手続きのワンストップ化や環境影響評価手続きの特例が受けられるとされている。

こうした地方自治体主導の促進地域のゾーニングがなされれば、事業者の予見可能性も高まり、それに合わせてローカル系統、配電系統の増強についての検討も格段に進みやすくなると考えられるので、市町村の積極的な対応が大いに期待されるところである。

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