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山梨県米倉山でのCO2フリーの水素社会構築を目指したP2Gシステム

山梨県甲府市米倉山(こめくらやま)地域に「電力貯蔵技術研究サイト」、「米倉山メガソーラー発電所」などの技術開発施設や「ゆめソーラー館やまなし」の啓発施設がある。

その中の電力貯蔵技術研究サイト内で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として、山梨県企業局、東京電力ホールディングス株式会社、東レ株式会社、株式会社東光高岳等が共同で実用規模でのCO2 フリーの水素社会構築を目指したP2Gシステム技術開発事業等を行っている。

この事業は、天候などにより大きく変動する太陽光発電などの再生可能エネルギーの不安定な部分の電力を利用した、水の電気分解による水素ガス製造システム(Power to Gasシステム)と製造した水素ガスを水素吸蔵合金に貯める水素製造貯蔵技術である。

また、製造した水素ガスを需要先まで輸送・利用するための水素出荷設備や水素トレーラー、純水素ボイラなどについても実証を行っている。

本年度6月から製造した水素ガスを水素トレーラーやガードルにより輸送し工場やスーパーマーケットで利用する実証事業を開始している。

主な設備として「大型固体高分子型(PEM型)水電解装置(1,500kW:500kW×3列大型スタック)」や「水素吸蔵合金タンクシステム(3,500Nm3)」を導入している。

P2Gシステムは、カーボンニュートラル社会実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大とCO2の削減を実現するための技術として益々期待されている。

(写真3点の出典:山梨県企業局新エネルギーシステム推進室資料より)
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