洋上風力について(2)において述べているが、今回の1社(三菱商事Gr)独占を踏まえて、経済産業大臣から「他のプロジェクトの人たちにも今後参加しやすい仕組みを検討しようと思う」との発言があった。資源エネルギー庁は、今後の公募に向けて採点の重み付けなど事業者評価の在り方を再検討する意向である。
現状の評価基準は、価格で120点、事業実現性で120点の1:1としており、合計240点で評価される。事業実現性は個別評価項目の積み上げであるが、価格は最も低い供給価格を提案したものが満点の120点、その他の事業者は提案した供給価格に応じて配点される。
事業実現性については、事業の実施能力(80点)と地域との調整等(40点)の2:1としている。トップランナーはそれぞれの項目配点に対して10割、ミドルランナーは7割、最低限必要なレベルは3割で採点される。
なお、事業の実施能力の内、事業計画の実現性については、満点で20点であるが、価格点は最も安ければ120点獲得できる配点となっている。
今後、どのような観点から検討しようとしているのか、最近の新聞報道などで示されている(「自民党政務調査会 総合エネルギー戦略調査会の要望等」)国の動きについて紹介しておく。
現状、次の公募(2ラウンド)が既に始まっており間に合わないので、その後の公募(3ラウンド)に向けて検討するとのことである。
財務力のある事業者のみ参入機会を確保できるような認識が広がれば、洋上風力事業への参入意欲は減退し、競争環境は悪化する。官民協議会の戦略を受けて建設事業者、サプライヤーの期待は高まっており、既に大規模投資に踏み切っている事業者も多い。今後、透明で分かりやすい基準を早期に示すことが必要である。