水素循環ブロアは、燃料電池システムのスタックで反応しきれなかった燃料の水素をもう一度スタックの上流へ返送するシステムであり、高い信頼性と安全性が求められる。 申請者は実績のある独自技術を水素用に利用する事により、気密性に優れた小型、低価格の水素循環ブロアを開発した。今後、燃料電池自動車などへの利用が期待されるものとして評価された。 水素循環ブロアは、燃料電池システムのスタックで反応しきれなかった燃料の水素をもう一度スタックの上流へ返送するシステムであり、高い信頼性と安全性が求められる。しかしながら、適切な仕様と価格のものが販売されておらず、燃料電池普及の足かせとなっていた。申請者は小型、低価格、かつ安全性と耐久性に優れた大型車両向けの水素循環ブロアを開発した。 水素循環ブロアとしては、電磁式ダイヤフラムブロワを採用しており、永久磁石と電磁石の間に隔壁を設ける特許技術を開発する事でダイヤフラムが破損した場合でも流体である可燃性ガスが電磁部へ流入する事のない優れた安全性を実現した。 平成28年4月から販売を開始し、現在までに産業車両用として91台の実績がある。フォークリフト、パレットトラック、携帯電話基地局、燃料電池自動車など大きな需要が見込まれている。また、各種移動体用燃料電池の実用化を加速させ、大幅なCO2削減にも寄与できるものと考えられる。
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