北海道電力が大規模太陽光発電の系統連系条件として示した技術要件に適合する蓄電池システムを、民間企業3社の連携によって開発し、釧路町での大規模太陽光発電(17.9MW)に導入した。新たに開発した蓄電池システムは、太陽光発電の出力の変化速度を周波数への影響がないように制御することや蓄電池の設備容量を最適化することで、設置コスト及び運用コストを抑えたものである。
民間事業者が商業運転する大規模太陽光発電所への出力変動緩和用途での蓄電池システムの導入については前例がなく、また、得られた知見及び技術は、国内外を問わず変動調整能力の課題を抱えるエリアにおいて反映できるものとして評価された。
本蓄電池システム(リチウムイオン電池:6,748.8kWh、蓄電池用PCS:10,000kW)は、短周期の出力変動緩和対策を目的に開発し、北海道釧路町の大規模太陽光発電所に導入したものである。発電事業及び発電所全体設計・施工を㈱大林組が、蓄電池システムの設計を三菱電機㈱が、リチウムイオン電池を㈱GSユアサが担当した。
天候の変化によって太陽光発電の出力が急激に変動する問題に対して、蓄電池制御システムによってミリ秒の高速演算で蓄電池を充放電制御することにより、発電所出力を平準化し、電力系統に与える影響を軽減している。運用開始後には、実データをもとにした性能解析及びシステム改善を行い、より良い蓄電池システムとして安定運転を行っている。
今後も、電力負荷やエネルギーコストの低減、省CO2型社会の構築など、持続可能な社会の実現に取り組んでいく。
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