同一グループ内の3企業が、①竹やバークなど地域の未利用資源の調達・供給、②ORC熱電供給設備による熱および電力(995kW)へのエネルギー変換・供給、③製材工場での建材等の製造を行っており、バンブーエナジー(株)は②の部分を担っている。
竹の燃焼時のクリンカ発生防止対策について燃焼試験により確認し、塩素等による熱交換器への腐食対策についても解決、竹の燃焼方法を確立している。竹の有効活用を実現しており、多くの地域が抱える課題の解決につながる先進的ビジネスモデルの展開が期待できるものとして高く評価された。
バンブーエナジー株式会社では、熊本県南関町において地域で未利用となっている竹とバーク(杉の樹皮)を有効利用し、隣接地のグループ会社に電気と熱エネルギーを販売している。本プラントは、国内初の竹を有効利用したバイオマス燃焼炉と ORC 熱電併給設備を組み合わせたバイオマスプラントであり、年間 8,000t 程度の竹と20,000t程度のバークを使用し、電気出力は 995kW、熱出力は6,795kW(熱媒油供給 2,800kW、温水供給 3,995kW)である。電気のみでなく熱エネルギーも同時に供給することでエネルギー効率を高め、FITに頼らない自立システムを構築している。
竹は燃焼時に灰が低温で溶融し、クリンカを形成することでバイオマス燃焼炉を傷めたり、竹に含まれる塩素などの腐食成分が熱交換器を傷めるなど、一般的に燃焼には不適格な原料と言われていたが、当プラントでは竹とバークの混焼比率の最適化を図り、燃焼温度や運転モードを工夫することで、クリンカ発生の抑制、塩素による腐食対策を行い、竹のエネルギー利用を実現化した。
本事業を通じて、全国で顕在化しつつある竹林の荒廃という地域課題を解決し、竹の総合利活用と高付加価値、さらに地域に存在するバイオマス資源を最大限に活用することを目指しながら、地域経済循環の向上と持続可能なエネルギーシステムの構築に取り組んでいる。
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