秋田県湯沢市に位置する山葵沢地熱発電所(ダブルフラッシュ方式、発電出力46,199kW)は、23年ぶりの出力1万kWを超える大規模地熱発電所である。
開発エリアである「山葵沢地域」と「秋ノ宮地域」は、地熱資源が同一であることが分かり、それぞれの事業者が一体となり大規模開発を実現している。特に「希少植物」、「希少動物」、「昆虫類」等環境への配慮を行うとともに、温泉事業者への対応など地域との共生を第一に取組んでいる。現在、特に大きな問題もなく順調に稼働しており、温室効果ガスの削減とともに地熱発電電力量増加に貢献するものとして高く評価された。
秋田県湯沢市に位置する山葵沢地熱発電所は2019年5月20日、環境配慮と地域に共生した国内で4番目の発電出力となる46,199kWのダブルフラッシュ方式を採用した大規模地熱発電所として営業運転を開始し、順調に発電を継続している。山葵沢地熱発電所の開発エリアである「山葵沢地域」と「秋ノ宮地域」においては1993年から2000年にかけてNEDO地熱開発促進調査が別々に実施されたが、両地域の地熱資源が同一であることがわかり、一体開発での事業化調査・検討を進め、2011年より環境影響評価手続きを開始した。2015年5月より本格的な建設工事を開始したが、建設資金についてはJOGMECの債務保証制度を活用し、支援を受けている。
山葵沢地熱発電所の開発においては「環境への配慮」と「地域との共生」を第一に環境影響評価における環境保全措置も含め、工事の際には「希少植物」、「希少動物」、「昆虫類」への配慮、「水環境保全」のほか、工事中における周辺環境保全および貴重動植物保護の観点から工事作業員に対する環境保全意識の啓発も実施している。また、周辺温泉事業者をはじめとする地元関係者の理解が必須であると考えており、調査井掘削時の10年以上前から毎月継続して温泉モニタリングを実施して温泉事業者とのデータ共有、温泉に影響を与えない地熱発電開発の計画内容の丁寧な説明のほか、地元住民を対象とした発電所現場見学会の実施や地元行事への積極的な参加など、様々な場面での地元との密接なコミュニケーションを図っている。
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