住宅メーカとしての顧客基盤を活用し、卒FITの余剰電力を買い取り、小売電気事業者を介して自社の展示場や工場等に供給し、事業用の電力を100%再生可能エネルギーとすることを目指す取組みである。
余剰電力の買取価格は、一般的な価格より高く(11円/kWh)設定することで顧客満足度を高めており、現状、卒FIT買取量が増えている状況である。将来的には、卒FIT電力をゼロエネルギービルやマンションに供給し、環境性の高い高層建築の提案にもつながるビジネスモデルであることも高く評価された。
当社は2008年に発表した「2050年脱炭素宣言」の実現に向け、建設業界で初めてRE100を宣言した。ただし、RE100の達成には、『再エネの購入コストが発生する』というハードルがあった。また、これとは別に『卒FITを迎えるオーナー様が売電収入が低下・無くなるかもしれない不安を感じられている』という課題もあった。
この問題を同時に解決するため、オーナー様の卒FIT電力を当社が市場より高く買取り、自社グループの事業用電力として利用する「積水ハウスオーナーでんき」 を開始した。実際の電力売買は小売電力事業者が担うが、卒FIT電力買取の勧誘が不要であり、買取電力の大口需要先(当社)も確保できることから経費を削減できる分、買取価格を市場より高く設定でき、また当社もコストをかけずにRE100を達成することができる。一方でオーナー様の満足度向上と共に、太陽光発電の設置を検討する方の安心感にもつながるため、今後の太陽光発電普及への貢献も期待できる。
買取開始から卒FITされた方の約50%の方にお申し込み頂き、当初2040年だったRE100達成目標を2030年に前倒しできる見込である。RE100達成後は、余った卒FIT電力を太陽光発電の設置が困難な高層建築物に供給することで、ネット・ゼロエネルギー化を目指し、人口密度の高い都市部においても環境に負荷を掛けない街づくりへの展開を進める。
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