本技術は、下水道の更新と同時に下水熱の回収、利用を実現するものである。下水管の更新は、開削し新管を既設管と交換する工法ではなく、既設管内面に新たな管を構築し、管底に下水熱回収用の採熱管を設置することで汚水の排水・処理だけでなく、下水熱を回収するという新たな付加価値を組み込んでいる。
下水の温度差熱利用を普及する工法として、かつ老朽化下水道管の更新機会を利用して普及できるという点で独創的な工法として評価された。
ヒートライナー工法は、これからの社会において解決しなければならない課題を同時に解決可能な技術である。1つは下水温度と外気温度の温度差を利用した再生可能エネルギーの活用、2つ目は老朽化した既設管路の更新である。
下水温度は、外気温度と比較して年間を通し安定的であり、この外気との温度差を熱源として活用し、電気消費量を従来の熱源もよりも抑えることで、温室効果ガス排出量も削減が可能となる。これと同時に、耐用年数を経過した中小口径下水管路を国内100万mの累積施工実績を誇る光硬化工法で既設管を更生することで、新管と同等性能に既設管を更新できる。
ヒートライナー工法はこれまで、国内の実績として11の地域で施工しており、従来機器よりも運転費用や温室効果ガスを削減効果があることを把握している。下水熱の空調・床暖房利用(200㎡)での効果は、試算として従来の電力利用よりも年間運転費、温室効果ガス排出量の削減を確認し、融雪・凍結防止も十分な性能を発揮していることを確認している。
本工法を導入することで、ゼロカーボンシティの実現、安全・安心のまちづくりに対して効果があると考えている。
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