本取組みは、水力発電の作り手と、発電電力の売り手と、脱炭素化を積極的に推進する使い手の3者が協定を締結し、再エネの供給拡大を加速させるため、官民一体で推進する地域を挙げた取組みである。
使う側が支払う電気の購入費用から地元の再エネ開発に拠出する仕組みを構築しており、地域内での資金の循環の仕組みを実現したことは、地域との共生の観点から評価された。また、全国の自治体が有する水力発電設備のリプレースや新規開発への展開が大いに期待される。
県営水力発電による「信州産CO2フリー電力<信州Greenでんき>」を軸として、電気を作る側、売る側、使う側の3者が連携する「信州Green電源拡大プロジェクト」は、官民一体で、再エネ普及拡大と地域経済の活性化を目指すプロジェクトである。このプロジェクトは、新規電源開発等をより直接的に支援するスキームを構築した全国初の取組である。
【電気を作る側】
長野県企業局は、昭和33年(1958年)に運転開始した美和発電所をはじめ23の水力発電所を運営。現在は新規水力発電所の建設や既設発電所のリパワリングを積極的に進めており、特に地域に密着した「地域連携型水力発電所」の開発に力を入れている。
【電気を売る側】
中部電力ミライズは、「信州Greenでんき」の販売を通じて、本プロジェクトのPRおよび加入促進、購入企業のイメージ向上、県営水力発電のブランド価値向上に取り組んでいる。
【電気を使う側】
セイコーエプソンは、「環境ビジョン2050」を掲げ脱炭素の取組を進める中で、2021年11月には国内製造業では初となる日本国内拠点の再エネ化100%を達成。先進的な活動の成果として環境関連の表彰・評価を得ている。自らの目標達成のためだけでなく、エネルギーと経済の地域内循環や再エネ開発・普及への先行投資と位置づけ、国内の脱炭素化を牽引する。
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