新エネ大賞-New Energy Award-

経済産業大臣賞【導入活動部門】新たな手法で工事費を大幅に抑制し、特高受電工場へ太陽光を導入 パナソニックホールディングス(株)、パナソニックエナジー(株)、(株)FD

受賞のポイント

本取り組みは、大規模工場(特高受電工場)に太陽光発電を導入する場合、工場内の変電所の大幅な改造工事を伴わない導入方法を実現したもの。太陽光発電を高圧以上の配電線に連系する場合、系統の地絡事故が発生した際、逆潮流が起きないように瞬時に検知し太陽光発電からの出力を停止するための継電器の設置が義務付けられている。この継電器として、高速遮断を担保する継電器(デジタル式逆電力継電器)を自社の特高変電所の高圧側に設置し、通信線を通じてパワーコンディショナーに遮断指令を送ることで、確実に高速遮断できることを実証した。これにより太陽光発電(2MWクラス)の導入に際して、変電所の大幅な改造工事が不要となり、工事費の大幅削減や工期の大幅短縮化を可能としたことが高く評価された。

導入活動の概要

  • 特高受電工場に太陽光発電を設置する場合、地絡過電圧継電器(OVGR*)が特高部にないと、通常、SF6ガスを封入したGIS*という設備があるため、大がかりな工事が必要となる。
  • 今回、RPR*(逆電力リレー)とUPR*(不足電力リレー)の機能を持つ継電器を、トランス直下の高圧部に設置し、送配電事業者が要請する「系統事故時3秒以内の発電停止」ができることを理論と実証の両面から証明し、大工事を回避。
  • 2MWクラスの太陽光発電を工場に設置し、工事費約2億円削減、工期約1年短縮という成果を生み出した。さらに電力購入契約(PPA*)による電気代合理化は約2000万円/年。CO2削減は約1000トン/年。
*OVGR(Over Voltage Ground Relay)・・・地絡過電圧継電器で、地絡事故時に発生する零相電圧を検出して動作する継電器のこと。
*GIS(gas insulated switchgear)・・・キュービクル等に収容されたガス絶縁開閉装置。断路器、遮断機とともにガス封入された装置の中にある。
*RPR(Reverse Power Relay)・・・逆電力継電器で、逆方向の電力を検知した際、発電設備の停止を行い、逆潮流を防止する継電器。
*UPR(Under Power Relay)・・・不足電力継電器で、取り込んでいる電力が一定の電力を下回ることを検出して動作する継電器。
*PPA(Power Purchase Agreement)・・・電力購入契約。初期投資は第三者が行い、長期間、その発電電力を購入する契約。
パナソニック エナジー㈱ 二色の浜工場
新たな手法で工事費を大幅に抑制し、特高受電工場へ太陽光を導入

【連絡先】

  • パナソニック ホールディングス株式会社
    プラットフォーム本部:山崎 幸一
    yamasaki.kouichi@jp.panasonic.com
  • パナソニック エナジー株式会社
    二色の浜工場:佐藤 実
    sato.minoru7@jp.panasonic.com
  • 株式会社FD(エフディー)
    富本 剛史
    tomimoto@for-delight.co.jp

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