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新エネ大賞

New Energy Award

新エネルギー財団会長賞
令和5年度 新エネ大賞
新エネルギー財団会長賞【導入活動部門】

水道浄水を用いた大規模送水管への水力発電導入

札幌市水道局
令和5年度 受賞事例 新エネルギー財団会長賞

受賞のポイント

本事業は、水道浄水を利用した水力発電の導入である。水道浄水を用いた国内最大規模の水力発電であり、未利用エネルギーの有効活用を実現していることが評価された。また、水道施設に水力発電を導入するに際して、水道水の安全性の確保などについて実証している。

令和5年2月から運転開始しているが、順調に稼働しており、水道施設を利用する水力発電の成功事例として、全国の水道事業体への波及が期待される。

導入活動の概要

一般的な水道システムは、ダムや河川から原水を取水し、浄水場で浄水処理した後、送水管で配水池まで送水し、配水池から配水管を経由して各家庭へ配水している。

札幌市の水道システムは、豊平川に形成される扇状地上に市街地が形成されている特性を利用して、標高の高い地域に浄水場を建設することで、送配水に極力ポンプ等の動力を使用せず、主に位置エネルギーを活用している。一方で、本システム中には、未利用エネルギーも多く存在していることから、これを有効活用するための水力発電の検討・導入を進めている。

「平岸配水池水力発電所」は、市内の給水能力の8割を担う白川浄水場から基幹配水池である平岸配水池へ送水する最も重要な管路へ最大出力670kWの発電設備を導入したもので、浄水を用いた水力発電では国内最大規模になる。

導入にあたっては、新設耐震管への更新と合わせた整備、水車停止時の水圧変動を想定した各種試験と対策、マニュアルの作成及び訓練、水車及び周辺管路の水質確認を通水前に実施し、水道水供給の安全性・安定性を確保した。

また、FIT制度の活用により、安定した売電収入も得られ、安全性と経済性を兼ね備えた水力発電導入事例として、全国の水道事業体への波及効果が期待できる。

水道浄水を用いた大規模送水管への水力発電導入

【連絡先】

  • 札幌市水道局給水部計画課計画係 橋本 裕喜
    メールアドレス suido-keikaku@city.sapporo.jp