新エネ大賞
New Energy Award

マンションで400kWの太陽光発電をまるごと自家消費するZEHモデル
「Solei-Yu(ソレイユ)」

受賞のポイント
本事業は、ヒートポンプ給湯機(エコキュートと呼ぶ)での蓄エネ機能を利用し、太陽光発電の電力を100%自家消費できるようにしたもの。自社の新築低層マンションの屋上に太陽光発電(400kW)を搭載、日中発電した電力でエコキュートを稼働(沸き上げ)することにより、一括受電マンションで課題になるエコキュートの夜間一斉沸き上げによる需要ピークを平準化するとともに、春秋の昼間低負荷期に余剰となる太陽光発電の電力を100%自家消費できるシステムを構築している。これを実現するため、エコキュートの沸き上げ時間帯のスケジューリングについては、居住者の生活スタイルに合わせて、アグリゲーターが遠隔制御する群制御システムを開発しており、先進的なモデルとして評価された。今後、同様なマンションへの展開を期待したい。
分散型新エネルギー先進モデルの概要
日中の電力使用量が少ないマンション(住宅)において、再生可能エネルギーの自家消費は困難とされています。本取組では マンション屋上に約400kWの太陽光発電設備を設置し、太陽光発電の活用を蓄電池によらない再生可能エネルギーの自家消費を実現したシステムです。各戸のエコキュートをインターネットに接続し、通常夜間に稼働するエコキュートを昼間でも稼働可能とし、太陽光発電をお湯に替えて蓄エネ、蓄電池の代わりとして利用。エコキュートは数十~数百台毎の群を形成し、稼働時間を遠隔でコントロールする事で太陽光発電の自家消費と電力のピークカットを実現したシステムとなっています。各住戸の断熱性能を ZEH基準まで引き上げ、省エネ性能を高めた上で太陽光発電を活用することで一次エネルギー消費量を50%以上削減、大規模マンション(528戸)では初となるZEH-M Readyを実現しました。高圧一括受電を活用し、太陽光発電を系統からの購入電力と混ぜる事で、通常のマンションと同じ配電設備により太陽光発電を各戸へ分配することが可能となりました。なお、太陽光発電分については、通常の電気料金を13%割り引く事によって居住者に還元しています。これまでの再エネ活用とは異なり、太陽光から各戸への配線や各戸パワーコンディショナー、蓄電池などを使用しない為、居住者の初期費用、ランニング費用といった負担軽減に寄与する持続可能な取組みとなっています。また、エネルギーマネージメントについても電力アグリゲーターが一括して行う為、居住者は煩わしい操作を行う必要が無く再エネ活用を行う事が可能となる今までに前例の無いシステムとなっています。

【連絡先】
- 三菱地所レジデンス株式会社
商品企画部技術環境室 久保修
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